Postgresでは、データ値はタプルに格納され、 各タプルはデータページを跨ることができません。データページの サイズは8192バイトなので、データ値の最大制限は比較的小さいものと なります。大きいサイズのものを格納するために、 Postgresではラージオブジェクト インターフェースを提供しています。この節では、 その実装とプログラム作成方法、Postgres ラージオブジェクトデータへの問い合わせ言語インターフェースに ついて説明します。
当初、Postgres 4.2ではラージオブジェクトに関して、 3つの標準的な実装をサポートしていました。それらはPostgres の外部ファイル、Postgresで管理される外部ファイル、 Postgresデータベースに格納されるデータの3つです。 これはかなりユーザの混乱を招きました。よって、Postgresでは PostgreSQLデータベースに格納されるデータのみを サポートするようにしました。これによってアクセスが少々遅くなりましたが、 より厳密に一貫性を持ったデータを提供するようになりました。 歴史的な理由により、この格納の仕組みは転置ラージオブジェクトと呼ばれています。 (この節では、「転置」と「ラージオブジェクト」の両方を使用していますが、 どちらも同じ意味です。)PostgreSQL 7.1からは、 すべてのラージオブジェクトはpg_largeobjectと呼ばれる、1つのシステムテーブルに 格納されます。